上絵付けと焼成

上絵の具とは 磁器の上絵付けに使う絵の具は、金属などの鉱物や顔料などの発色材料とガラスを混ぜて細かく粉砕し、 すりつぶした粉末状のものをタイルなどの上で、少し粘り気のある透明の溶剤(メディウム)で練り、ペースト状にして使用します。 メディウムには水溶性のものと油性のものがありますが、ポーセラーツでは、臭いが少なくスポンジングがしやすい水溶性のものを主として使用します。 また、アウトライン転写紙を貼って焼成し、白磁に直接上絵の具で筆描きする場合や、チャイナペインティングには、油性のメディウムを使います。
セラミックペンシル・金彩 上絵の具で色を付けるときは、スポンジングと言って先端にクリップが付いたスポンジばさみに専用のスポンジを挟んだものを使い、 軽くたたくように繰り返しつけていきます。上絵の具の他にはセラミックペンシルや金彩があり、セラミックペンシルは上絵の具をろうで固めたもので、 書き味も色鉛筆のような雰囲気なので、軽く柔らかいタッチで描けます。水や絵筆などを用意する必要もありませんから、気軽に楽しむことができます。 また金彩はお皿の周りやカップの取っ手などに金色で縁取りをしたり、ゴージャスな雰囲気を出したい時に使います。 その他では上絵の具の金液やセラミックマーカーでも描くことができます。

電気炉とは 電気炉は、焼成に必要な窯で、転写紙や上絵の具でデザインした後に絵を定着させる作業に必要です。 焼き上がりがきれいな電気炉は、炉内が耐火レンガ仕様になっている窯は保温性が高く、絵の具のつやなどを引き出しますが、 サイズが大きくなってしまうのと、焼成に時間がかかるという点があります。 またセラミックファイバー仕様の電気炉は保温性は落ちますが、コンパクトで焼成時間も短いのが特徴です。 窯の特徴や、作品の内容、設置スペースなど自分のあった条件から選ぶと良いでしょう。
焼成 焼成には、窯の温度が適切でないときれいに仕上がりません。低温すぎると、絵の具の艶がなかったり、鉛等の有毒成分が残っていたりします。 また、高すぎると色が飛んでしまったりします。 通常の上絵では焼成時間は15~30分です。 熱のまわりにくい重量のあるものを焼成する時は更に長めにします。金彩、ラスター等特殊技術では短めでも問題はありません。 700度キープ0分でもほとんどの金は発色します。油性金液はあぶり焼成時にとても臭う油煙が出るので、換気に気を付けます。 焼成回数は、第1焼成を高めにして、焼成が進むにつれて低くするかもしくは同じ温度を保ちます。金彩、セレン赤、特殊技術は通常最終焼成になります。 焼成回数が進むにつれて色の発色が失われますし、器への負担・リスクも増しますので最短焼成回数になるよう前もって計画を立てましょう。